かたいなか

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前回投稿分からの続き物。
「ここ」ではないどこか、別の世界から来て、親玉組織にカネが無いのをグチる、
別世界人がスパイの同僚に嘆いたおはなし。

世界多様性機構はその名のとおり、様々な世界、様々な次元、様々な宇宙の多様性を求める組織。
あっちの滅びそうな世界の住人を
そっちの発展途中な世界に移送したり(密航)
そっちの発展途上な世界の文明に
あっちの先進世界の技術を導入したり(違法干渉)
皆で生存発展することを良しとして、
あんなこと、そんなことをしております。

それだけ違法で高コストなことをしとるので
どれだけの世界の活動家セレブから寄付を受けても
いつも、ずーっと、
これからも、ずっと、
万年財政難の資金不足でして。

世界多様性機構は、カネが無い!
いつも、ずーっと、
これからも、ずっと、
世界多様性機構は収入と支出と、歳出と歳入と、
つまりお金と、にらめっこし続けるのです。

そんな、万年資金不足の機構の子分組織に
領事館というのがありまして、
今回のお題回収役はすなわち、そこの職員。
ビジネスネームをスギといいました。

「そうさ、これからも、ずっと、
ずっとずっと万年資金不足のままなのはゴメンだから、先進世界の技術で利益を上げようと、」
利益を上げようと、先進世界の技術を使って、
エイプリルのフードイベントでほぼほぼ原価ゼロの大食いチャレンジを開催したんだ。
スギは虚無目を虚無目のままに、エイプリルフールの頃の、惨劇を語り始めました。

メタいことを言うと、過去作4月2日投稿分の頃。
スワイプがただただ面倒なので、細かいことは気にしてはなりません。

「参加無料、チャレンジ成功で10万円プレゼント、チャレンジ失敗で2万円の支払い。
ギリギリ食えない量を出して、コツコツ、売り上げを50万くらいまで伸ばしたんだ」

50万に届く頃合いに、「ヤツ」が来た。
スギは言いました。
「ヤツ」とは領事館が、世界多様性機構が推しのカタキほどに敵視している組織の局員、
世界線管理局の職員でした。

世界線管理局には
美味しいものがとってもとっても大好きな
胃袋中性子星か食欲ブラックホールか、
ともかく、暴食の悪魔が居るのです。

大食いチャレンジを出店していたスギのもとに
その暴食悪魔、「ドワーフホト」が来たのです。

「もう少しで、売り上げが50万。
チャレンジ失敗で2万の売り上げ、チャレンジ成功で10万の損。ギリギリ食えない量。
そのハズだった。 その、ハズだったんだ。

あいつ一気に20セット注文しやがった。
それでも足りなくて10セット追加したんだ……」

ひでぇよな。 本当に、ほんとうに、ひでぇよな。
スギが同僚に、なげきます。
もうちょっとで、あと1時間2時間で、過去イチの売り上げを更新できたのです。
それを暴食のドワーフホトは、ぺろっと全部、消し去ってしまったのです。

「ひどいよな……」

いつも、ずーっと、
これからも、ずっと、
俺達、利益率の高い料理系の事業を展開したら、
あの悪魔に、暴利を貪られるのかなぁ。
虚無目のスギに、聞き手の同僚は何も言いません。
ただただスギの虚無な目を、じっと、静かに、
見つめ返すのでした。

「あいつは、誰よりもずっとブラックホールだよ」
スギが言いました。
「誰よりも、ずっと、恐ろしい悪魔だよ」
スギはただただ、沈む夕日を見ておりました。

4/9/2026, 6:22:03 AM