「これで、やっと自由の身ね」 裁判所の扉を開け放つと、女は空を仰いで大きく伸びをした。三か月にわたる離婚調停の末、今日をもって晴れて独身の身となれたのだ。もう夫の面倒をみなくて済むと思うと、開放感で胸がいっぱいになった。 その瞬間、裁判所の隣にある教会の鐘が鳴った。鐘の音は、まるで女の新しい人生の始まりを祝福するかのように、高らかに鳴り響いたのだった。
8/5/2024, 10:18:19 PM