君の背中は品のいい滑り台のように、白くツルツルしていて、滑らかな曲線を描いていた。僕はそれを眺めるのが好きだった。君はいつも不思議がっていたけど、その困惑した顔がよりその白い背中を引き立たせていた。
彼女も美しい女性だった。僕が今まで付き合ってきた女性は誰もが、自分を代表とさせる権威的な部位を持っていた。ある人は手首だったし、ある人は首筋だった。そして、彼女は背中だった。そういった類まれなる美しさというのは、感心や感動を通り越して、畏怖の念まで抱くこともある。それは、人が作り出す、ある意味で人工的で、同時に自然的な美しさなのである。
2/9/2025, 5:53:34 PM