ハンガーにぶら下がった半袖のシャツが、風に揺れる。その向こうには、青く広がる夏の空。
「……楽しかったけどさ」
水遊びなんて、いつぶりだろう。何も考えずに遊ぶのはそれはとても楽しい。楽しかったんだけれども。
「ちょっと、やり過ぎたね……」
濡れたシャツは、ちょっとやそっとじゃあ到底乾かない程度にびしょびしょになっていた。
庭にはビニールプール、蝉の混声合唱はいつの間にかヒグラシの合唱に変わって。そして、私の隣で疲れ切って、けれども楽しそうに、幼い「彼女」は眠っていた。
7/26/2025, 6:51:53 AM