貴女の背中は、しっとりと柔く、手に吸い付くようでした。
最後の夜、貴女の愛にようやく気づいた俺を、貴女は優しく受け入れてくださいました。その夜の貴女の身体は、俺がそっと触れる度にひくりと震え、貴女の堪えるような吐息が俺の耳を掠めるだけで、俺は自分が際限なく高ぶっていくのを感じました。
細いその背を抱えるようにして抱きしめていた時の、あの貴女のぬくもりを、今でもありありと思い出すことができます。
俺が貴女の背に触れることは、もう二度と出来ません。
その背を後ろから見守って、貴女の上に幸運と良縁を呼ぶように力を尽くすことだけが、俺に出来ることです。
貴女のぬくもりを思い出しながら、俺は貴女を守り続けるでしょう。貴女があの大きな廻り続けるものに回収されるその日まで、ずっと、ずっと、ずっと。
2/9/2025, 1:26:59 PM