天気予報では、雨は降らないと言っていた。けれど空には厚い雲がかかっている。
雲の切れ間から見える空は青空とは言い難く、薄っすらと灰色がかっていた。
日差しがない分涼しいかと思ってベランダに出てみると、お世辞にも心地よいとは言えない夏の前の暑さが肌に触れる。
春とも夏とも言えない、曖昧な天気。
昨日は気持ちよく晴れていたのに。
この時期の日ごと目まぐるしく変わる天気が苦手だ。
さらっとして包み込むような春風から、梅雨そして厳しい夏が訪れるのを予言するようなじっとりとした風に変わり、気温も暑かったり寒かったり、どうしてこんなにも人類を振り回すのか、と地球に問いかけたくなる。
おかげで明け方寒くて再び引っ張り出した毛布やら、昼間あまりにも暑くて慌てて出した夏物の衣装ケースやら、かと思えば涼しい夕方に羽織ったカーディガンやらで、部屋の中も目まぐるしい様子になってしまった。
来週には梅雨入りするらしい。
ゆううつ。
子供の頃は雨が続く梅雨も日差しが降り注ぐ夏も素直に受け入れていて、いっそ非日常感があって楽しかったのに、いつから苦手になってしまったんだろう。
きっと、それにまつわる面倒ごとをたくさん覚えてしまったからだ。
わたしがおとなになったせいだ。
もう水たまりに飛び込んだり、傘を逆さにして雨を貯めたり、タンクトップ1枚で外を歩いたり、ホースの水を浴びたり、そういうことはできないおとななのだ。わたしは。
6/14/2024, 11:45:03 AM