【蜃気楼】
重い瞼を押し上げる
ピントが合わない部屋を見回す
そこには微かにぼやけてはいるが、人影があった
寝ている間にエアコンが止まってしまったのか、
部屋は蒸し風呂状態になっていた。
彼女の作ってくれた朝食でも食べながらふと気がつく
「あれ?同棲相手なんていたっけ?」
はっと、辺りを見回すと、そこには、何もいなかった
自身が作りだした幻かはたまた
たぬきにでも化かされたか
寝ぼけていたのか
暑さで頭がやられたか
今となってはよく分からない。だが、
悪いような気はしないので、よしとするか。
7/10/2024, 5:04:09 PM