【Secret Love】
誰にも言えない気持ちが、胸の奥で静かに育っていた。
それは花のように咲き誇ることを許されず、言葉にすれば壊れてしまう儚いもの。
彼女は不器用に微笑みながら、ただ遠くから見つめていた。
心の中では千もの言葉を練習しても、声に出す勇気はまだない。
そんな彼女の姿は、どこか幼い無邪気さを残していた。
けれど、その無邪気さこそが彼女の強さでもあり、淡い想いを守る盾でもあった。
秘密の恋は、熟練した職人の手仕事ののように、ひとつひとつ積み重なれていく。
外には見えないけれど、心の中では確かに模様を描いている。
やがてその想いが表に出る日が来るのか、それとも永遠に秘められたままなのか。
それはまだ誰にも分からない。
ただひとつ確かなのはーー彼女の世界はその秘密の愛によって、静かに色づいてるということ。
9/4/2025, 7:06:28 AM