お題:小さな命
『小さい妹』
私に、親が迎えに来るらしい。
あの後は全ての授業は秋太くんが付き添った。
皆行ってしまってオロオロしていたら気が付いて案内してくれたからとても助かった。
授業が終わって放課後になったらすぐに帰るかと思っていたんだれけども、親が仕事の関係上すぐに迎えにこれないとの事で部活もしていくことになった。
見学だったけれども、皆が弓を引いているのを見るのは楽しかった。
特に、秋太くんがいちばん上手くて、かっこよかった。
部活が終わって秋太くんは帰る準備をしているが、私ははもう少し待つことになったみたい。
私は1人で待とうと思っていたけれども、クラスメイトに一緒に帰ろうと言われても、断ってそばに居てくれるに秋太くんは優しい。
断って騒いだ皆を一旦〆ていたけれどもね。
「ありがとう。」
だから、残ってくれた事にお礼をしたんだけど、不思議そうな顔をされた。
「別に、大丈夫だ。」
分かってくれたのか、大丈夫と返事をされた。良かった。
「透華ちゃん。暇だからさ、課題して待ってようぜ。」
この申し出は解き方が分からなかったら私からしたらとてもありがたい。
途中からだから全然分かんなくて、家に帰ったら教科書とにらめっこする予定だったんだ。
「そうだね。私、これあんまり分からなくて。」
あれ、微妙な顔してる。
秋太くんも分からなかったのかな、それともここは苦手な範囲なのかな。
あ、後ろにある月が綺麗だな。
「じゃぁ、教えるよ。どこからつまづいてるの。」
あぁ、課題教えてくれるからそっち見ないといけないと思っていると秋太くんは横を見た。
「月、見てるんだね。」
秋太くんがこちらを見て言うので私もそちらを見て言う。
「うん。多分、好きなんだと思うよ。」
綺麗だから、笑顔で答えた。
そうすると秋太くんも微笑んでいて。
「月が綺麗ですね、透華。」
何故か敬語で言われたし、呼び捨てにもされたけど、特に嫌だとは感じなかった。
「うん。綺麗だね、秋太くん。」
まだ、呼び捨てにする勇気はないからくん付けなの許して欲しいな。
「あ、親が下に来てるらしい。」
課題してないけれど、降りよう。
一人でするのか、大変だな。
「そうなんだ、課題できなかったね。」
秋太くんにそう言われる。
「そうだね、一人で頑張る。」
そんな感じで喋っているとすぐに親のところまで着いた。
「透華と、秋太くん、お久しぶりね。」
母親は秋太くんの事を知っているらしい。
友達だったみたいだから、その影響かな。
「はい、お久しぶりです。有華ちゃんもお久しぶり。」
秋太くんは母親と抱っこされている妹にそう言った。
妹は今年で2歳になるまだ小さい子供だ。
小さい妹の記憶もないが、この数日間時折会っては可愛いなと思っている。
「では、俺はここで。」
ここで別れるらしい。
今日1日、ずっと一緒にいてくれてすごく助かったから、お礼をもう1回言おう。
「秋太くん、ありがとう。」
秋太くんは帰りはじめてたけども、こっちを向いて笑顔を浮かべて言った。
「どういたしまして、透華ちゃん。」
私も母親と妹と帰ろうと思い、抱き上げる為に妹に手を伸ばした。
2/24/2024, 10:37:22 PM