霜月 朔(創作)

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束の間の休息


生きるために罪を重ね、
人を傷付け、傷付けられ、
他人の屍を踏み越え、
卑怯にも、生きてきて。

傷だらけの身体、
血に塗れた手、
穢れきった魂。
こんなにも醜い、私。

そんな絶望の中で、
出逢った貴方は、
私が触れてはならない、
希望に煌めく橄欖石のよう。

もし、貴方が、
この醜く汚れきった、
世の中に疲れ果て、
身体を休める時は、
私が貴方を護りましょう。

私の腕が、貴方にとって、
束の間の休息の場所でも。
それで構わないのです。

貴方が、少しでも私を、
必要としてくれるなら、
私は幸せなのですから。


10/8/2024, 5:58:48 PM