私はずっと前から私だった
無力で泣き虫な臆病者なんて知らない。
そんなものは最初からいないよ。
昔から強くなりたくて頑張る私だ。
弱き者を救える強い自分になりたい
でもそう思うようなったきっかけは
よく思い出せない。
完璧になりたいから、褒められたいから、
誰かに見てほしいから、
そんな理由じゃなかった気がする
過去が嫌いすぎて、今を迷って、
未来へ進む気力が無くなった昔の私は、
どうして頑張ろうと思ったんだろう……
元々は努力なんてしても潰されるだけの環境にいた
全てを否定されて、周りには敵しかいない。
その空気に呑まれた私は、自分のすべてが嫌いだった。
どれだけ虐められようが、何を否定されようが
弱い自分が悪いと、周りに従おうと思った。
結果、私は大切なものを失った。
苦しくて、辛くて、悔しかった。
弱者は自分の大切なものすら守れない、
このままでは自分で幸せを遠ざけてしまう、
でも弱者の私は本物の強者にはなれないし、
大切なものを守れない、
だから、私をどん底に落とした奴くらいは
後悔させたかったんだ。
そんなこともあったかな。
弱くて何も出来ない過去を見て
少しは見返せてるかなって思えたら
強者に近づけてるのだろうか。
最初からいないよ、弱い私なんか。
誰にも見せちゃいけない。
ただ強くなりたいから、強くなるだけ。
誰も見ていない誰も知らない過去の秘密は
強く優しい仮面の中身かもしれない。
誰にも力を振らない臆病者が
密かに罠をしかけていたのはまた別のお話。
11/2/2025, 12:11:29 PM