殆ど同時に見上げた気がしたけれど
見えたのは 単なる影
夜空に浮かんでるはずの月の影
曇天を体現する空は
雨上がりの静けさを最大限に露わにしていた
君の腕にある傘が その役割を終えて
小さくまとまっている
何でもない ただの帰り道
でも 僕らは随分と歳をとった
どう足掻いたって
君の誕生日を100回祝うことはできない
膨張と縮小を繰り返す宇宙からすれば
ちっぽけな僕らとその命
抵抗する僕らは傘をさしてエアコンをつけて
ただのニュースに一喜一憂している
手のひらにあるものを数えて一安心を繰り返す
9/14/2025, 2:54:54 PM