嫌いは言えるけど、好きは分からない。
っていった巴ちゃん(17)。
自分の嫌いなことはよく口にするけど、好きなもの言わない人って人間としてなんか薄くない?と私が口にした時の返事だった。
部活の先輩が毎度毎度、飽きることなく愚痴ばっか話すものだから、私もちょっと愚痴を吐きたくなった、それだけだった。巴ちゃんが、なんでこのタイミングでそれを言ったのかが分からなかったけど、なんか申し訳なくなって、気まずい雰囲気になったのは今でも覚えている。
じゃあね。
っていった昨日、自殺する前の巴ちゃん(22)。
巴ちゃんは、最後まで自分の好きが分からなかったのかな。嫌いばっかり見えてしまって、世界が敵のように見えたのかもしれない。
私は、あなたの好きにはなれなかった?
生きる理由になれなかったかな?
私達、分かりあえてなかったのかもしれないね。
それでも、そんな巴ちゃんのこと、私は大好きだよ。
またね。
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『玉江 巴』
6/13/2024, 4:41:13 AM