毛穴ひとつない美しい肌。
目は強気なカラーで丁寧に彩って。
アイラインは目尻を少し跳ね上げる。
淡い桃色のチーク。
ハイライトは適度に自然に。
完璧な保湿のおかげでふわふわの唇にとっておきの赤を乗せる。
何度か唇を擦り合わせて最終調整を。
そうして鏡を覗き込み、惚れ惚れする。
「あぁ…すごくキレイだよ、姉さん」
鏡の中の姉さんが、蕾を咲かせた花のように柔らかく微笑む。
ありがとう。本当に自慢の弟ね。
口が動いて、これ以上ない褒め言葉をくれた。
「そろそろ時間だから、行かなくちゃ」
気をつけて。急いでいると危ないから。
「大丈夫だよ姉さん。僕はちゃんとやれるから」
そう、それは楽しみね。
僕の姉さんは、わらっている時が一番美しい。
11/4/2024, 9:31:00 AM