スランプななめくじ

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私たちの関係に名前はなかったけれど、
きっと誰よりも近かった。
私たちを縛るものは何もなかったけれど、
いつでも隣で笑っていた。

わたしの1番があなたであるように、
あなたの1番は私だと、信じて疑わなかった。

あなたの口から飛び出す知らない女の人の名前。
見たことの無いあなたの笑顔。
その時に理解してしまった。
あなたの事を好いていたのだと。
そして、失恋したのだと。

私はあなたを引き止められない。
だって私たちの間には、なにもないから。
私もあなたが好きだとか、
私があなたをいちばん分かってるだとか。
口が裂けても言えない。

きっと私は、あなたの事を何も知らない。
近くにいただけで、分かってるつもりでいた。
私はあなたの1番を名乗れない。

私はあなただけだったけれど、
あなたにとっての1番は私ではなかったのね。

「ほんと、バカみたい。」

全てが手遅れになってから気付くなんて。
ずっと知らないままの方が幸せだったわ。

3/22/2024, 2:22:09 PM