取り残された抹茶

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流れる景色を見ていた。
夕日を右手に走る列車から見える景色はいつもと何変わらぬもので、だが少しだけ違っていた。
ふと、窓に着いていた跡が目に止まった。普段何気なく使っていた電車。果たして私は今まで、モノに対して疲れるという概念を持っていただろうか。あの跡はただの汚れ?違う。今日も一生懸命にたくさんの人々を運んだ証だ。
『今日も一日お疲れ様です』
と、心の中で労った20分。

8/5/2023, 9:00:37 AM