NoName

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空に佇む月に手を伸ばすように。
あなたの隣に立てるよう努力をしてきた。

メイクを練習して、流行りの服を買って、常に流行の最前線にいられるように。

けれどあなたはこちらを見なかった。
周囲がいくら「お似合い」だと言っても、
あなたに振り向いてもらわなきゃ意味は無い。

結局私が手を伸ばしていた月は、湖に浮かぶ幻だったようだ。取ったと思っても、手から溢れていく。
あぁ、なんて、意味の無い。

11/8/2024, 10:55:53 AM