霜月 朔(創作)

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またね



貴方は突然、
生命を奪われた。

残酷な世間は、
善良な人間から、
様々な物を奪う。

俺達の身体には、
消えない傷跡が、
幾つも残り、
俺達の心には、
治らない傷が、
血を流し続けていた。

それでも。
傷だらけの俺に、
貴方は笑い掛けてくれた。

だけど。
余りに醜い世の中は、
貴方から生命までも、
奪い取ったんだ。

貴方が言った、
『またね』の言葉。
よくある、何気ない、
いつもの挨拶だったのに。

叶わなかった、約束。
二度と戻らない日常。
『またね』
『また明日』

8/7/2025, 5:25:59 AM