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ガタンゴトンと揺れる列車の中で
向かいに座るのはいつかの私
この街を出る時には
必ず窓の広いボックス席に座り
窓枠に頬杖をつく
緑から灰色へと移り変わる景色を眺めながら
なんとなく独りに帰っていく侘しさと共に
都会の街へと消えていった

あの時の思いは今も覚えている
大都会という孤独の群れの中で
温もりを探し彷徨う人々
ネオンに紛れ、自分だけの光を探している
そんな世界は嫌いじゃなかった

きっと中にいる時には気付けなくて
何かをきっかけに抜け出した時
過去を振り返られるようになった時
見えてくるものがあるんだと思う

いつかの私へ
その苦しくも懸命に歩く姿は
きっと役に立つときが来るから
存分に足掻いてください

8/25/2024, 10:17:00 AM