夢を見ていたい、と思いながら、今もどこかで夢を見ている。浅い眠りのような日々で、タオルケットを引きずりながら息をしている。ほんとうは夢など見たくない、夢を見る前夜はいつも不安で、おそるおそる目を閉じる。普段とはほんの少しずれた調子で始まる寝息は詰まっていて、時々呼吸のやり方がわからなくなる。暗闇の中で踏み外して罠に嵌った。どこでどんな罠か知らないまま光が差して、種明かしみたいに視界が晴れて。すり切れた生活が始まる。
1/13/2024, 3:19:33 PM