ストック1

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わしの栄光への軌跡を聞かせてやろう!
ハッハッハ、退屈そうだって?
そう言わんでくれ
暇なわしを楽しませると思って、な?
自慢話が鬱陶しいのはわかるが、頼む!
……さて、まずはアレだ
わしは幼い頃、病気がちで、まともに学校へ行けてなかった
非常に寂しかったね
友達と校庭で走り回るとか、憧れたよ
だが幸い、成長するにつれて体は丈夫になっていったんだ
中学に上がる頃には、人並みの健康を手に入れた

まあただ、それでめでたしめでたし、とはならなかったんだ
勉強をする機会が限られてたからなぁ
当たり前だが、わしは全然授業についていけなくてね
それはもう、将来のために死に物狂いで自習をしたわけだ
最初の一年くらいはつらかったよ
遅れを取り戻すために、遊びを捨ててしまったんでね
周りの同級生からも、勉強にしか興味ないやつだと勘違いされてしまって、敬遠されてな
友達はできなかったんだ

中学卒業後は、高校へ行ったんだがな、そこではわしもそれなりに楽しくやれた
わしはな
高校が合わずに去っていったり、馴染めずに独りだった生徒が何人かいた
かつての自分を見ているようで悲しかったよ、アレは
わしはなんとかしたかったが、その時は勇気もなければ、いい案も浮かばなかったんだ
その時の無力感はずっと残ったな
しかし、そこで残念だなと思ったままで終わるわしではなかったのだよ

卒業後、今までの人生経験を踏まえて、やりたいことができたわしは、また猛勉強した
そして、学校で勉強をする機会がなかったり、学校が合わず、通えない子供たちの居場所を作るための団体を作った
病気なんかで学校へ行かれない子には、勉強や遊びの機会を
学校に通えない子には、代わりとなる場を
それぞれ作り出した
ま、そうそう上手くいくもんじゃないが
最初は非難されたり怪しまれたりしたもんだ
それでも必ず必要とする人はいると信じてたね、わしは
そして、わしの読みは当たった
利用してくれる子達は段々と増えていったんだよ
キラキラしてる子達を見て、わしも青春してる気分よ
まぁ、そんな感じで今に至る、と
途中途中でもまだまだ色んな苦労とかあったけど、この辺にしとこうか

おっと、わしの話から何か学び取ろうとか、そんな事は考えんでいいからな
ここまで頑張ってやったぞ!なんていう自慢話がしたかっただけだからな
ほんと、最近だぁれも褒めてくれんのだよ
わしは相当に頑張ってるんだがね
ってわけで、褒めてくれ
んで、わしのすごさを言いふらしてくれ
わし、すごくないか?
おっと、自慢しすぎると自分の言葉の価値が下がる
なにはともあれ、今日はわしのくだらん自慢に付き合ってくれてありがとな

4/30/2025, 11:32:02 AM