「......任務完了。」
私は前にある血塗れの肉塊を見ながら言う。
私は殺し屋だ。殺しをしながら生き永らえる。それ以外はただの人間。高校にも通ってるし、親は居ないもののまぁまぁ裕福な暮らしをしているし。.....ただ、少し人肌寂しいと思う事はあるけどな。
「.....帰るか。」
時間を見ればもう日が登りかけている。学校に遅れる前に家に戻らなくては。
そして、学校。いつも通りつまらない。どうせなら居眠りでもしてしまおうか。次は昼休みだし、別にいいだろう。そうして私は目を閉じた。
「......お、おーい.....」
目が覚めた頃は、誰かが私に向かって呼びかけていた。顔は伏せていたため、相手の顔は見えない。......はぁ、めんどくさいけど、起きるか。
「......何。」
顔を上げる。その瞬間、一瞬体が固まる。何故なら目の前にいる少女はエメラルドグリーンの瞳の色をしていたからだ。それもただのエメラルドグリーンではない。何だかその瞳は澄んでいて、宝石の様だった。私みたいな、どす黒い赤の瞳ではなく。
「.....」
「......っあ.....ご、ごめんなさい。目の色、気持ち悪いですよね......寝起きにこんなの見せて、本当にすみません....」
そういいながら、少女は謝る。なんで謝ってるんだ?私より綺麗で澄んでいて、むしろ自慢になる事なんじゃ.....
「......いや、別に気持ち悪いとか思ってないけど。」
「あ......そ、そうですか.....すみません。」
謝ってばっかだな。にしても、私以外に特殊な瞳の色している人居たんだ。.....いいなぁ。こんな色に生まれたかった。
.......悪魔の子とか言われずに。
「......私より綺麗でしょ。」
「え、はぇ.....?」
.....驚く事か?
「で、用は?」
「あ.....そ、そうだ.....!い、一緒に、お昼ご飯でもどうかなって.....!」
......ん?この子私誘ってんのか?馬鹿なの?......でも、少しだけならいいかな。
「......うん。いいよ。」
「ほ、ほんと....!?あ、ありがとう!じゃあ行こう!」
「うん。」
......澄んだ瞳は、本当に綺麗だ。
7/31/2023, 5:33:43 AM