t「心のざわめき」
絶対なんて言葉、存在しないんだと思った。
離ればなれになった君からもらった最後の言葉をずっと心の中で抱きしめている。
親の事情で君が迎えにくる、と言った場所から離れなければいけなくなった。名残惜しくも君との思い出がたくさん詰まったこの街とはお別れしなければならない。
君との約束を守る事が出来ないのはとても悲しいけど、もしかしたら君なら、自分がどこにいても見つけてくれるんじゃないかと淡い期待がどこかにあった。
大人になって、故郷から離れてあの頃からたくさんの事が変わった。幼い頃の気持ちは今でも大切な箱の中にしまい込んでいる。君とは当たり前だけど出会えない。
君がどこで何をしているのか、そもそも自分の事を覚えているのかすらわからない。
自分の心をざわめきさせるのは、いつもしまい込んだきみへの気持ちを取り出した時だけだ。
3/16/2025, 1:13:15 AM