空に溶ける光景を想像してもピンとこず
溶けて気づかぬ花粉とかかい?
せいぜいそんな感じです
ただ一度だけ
溶けるというより消えていく思い出があります
ある冬晴れの日
そうか
もうウン年になるんだなぁ
そんなことを思いながら
ふと見上げた青空がスクリーンになり
人影を映していました
何年もその姿を見ていない
その立ち姿のシルエットが
青空に薄く浮かんでこちらを見ているかのようです
焦点合わずにボヤケて見えてるんだなぁ
そう思いながらもこちらもじっと見つめてみる
数秒だったのかそれとも数分だったのか
時間も忘れて眺めていたその光景
やがてどんどん薄くなり溶けたように消えたとき
自分が泣いていることに気づきました
完全に不審者な光景ですけど
幸いにして周りに誰もいなくて助かりました
空に溶けていったかは分かりませんが
浮かび上がった見たことのない姿を眺め
それが徐々に消えていく悲しいという気持ちは
涙がなければ気づけませんでした
ただただ思ったのは
よかったね
その一言でした
5/20/2025, 4:38:07 PM