紺色

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※蝶の事はあまり詳しくないので間違ってるかもしれません。
 
 風がふいて花が揺れている。花の匂いはそこら中に満ちていた。あぁ、なんて幻想的。まるで夢のよう。私は今本当に生きているのかしら。試しに自分の頬を軽く引っ張った。引っ張ったところは少し痛い。大丈夫。ちゃんと生きてる。でも、ここが天国なら良かったのに。
 ちょうどいい日差しにちょうどいい風。少し寝てしまおうか。身体を倒して草の上に寝転がった。なんて気持ちいいんだろう。少しうとうとしていると、この場にはあまりに場違いな一匹の蝶を見つけた。
 翅の模様はとても綺麗なのにその翅が一枚しか付いていないのだ。何ということだろう。蝶は重い自分の体を一枚の翅で一生懸命支えながら飛んでいた。少しふらつき地面につきそうになりながら一心不乱に花に向かって飛んでいた。ボロボロになった片方の翅を見てあまりの痛々しさに目を背けた。
 蝶とは反対向きに寝転がり目を閉じる。それから少しするとあっと言う間に夢の中へ落ちていった。
 嫌と言うほど甘い匂いで目が覚めた。一体どれくらい寝ていたのだろう。身体が痛くて喉がからからだった。しかしまだ日は落ちていない。はたして私はその次の日になるまで寝ていたのだろうか。まぁ、何も言うまい。なぜなら私は自由だから。
 そう言えばあの蝶はどうなったんだろう。あたりを見渡せどそれらしき姿は一向に見つからない。どこか遠くに飛んでいったか、はたまたどこかで力尽きたか。どちらにせよ私には関係のないことだ。
 それでも、気になることには気になる。時間は沢山あるのだ。こんな暇つぶしも悪くない。試しに私は一番近くの地面から用心深く草をかき分け蝶をさがした。
 何時間か経った頃。とうとう私は蝶を見つけ出した。蝶は草の上にひっそりと落ちていた。もはやそれは生き物では無い。あんなに美しかったもう一枚の翅すらも見るも無惨にボロボロになっていた。きっと何かから逃げてきたに違いない。小さな体はズタズタだった。
 私はそっと、その蝶を穴の中に埋めた。それからふと、この蝶が最後に見た、最後に思ったことは何だったのか考え始めた。


                               ひとひら
読んでくださりありがとうございます。

書き方変えてみました。

読みにくかったですか?(次は今までどおりに書きます)

あと、最後あっさりしすぎましたか?

久しぶりに書いたので、でも、前に書いたやつよりかは良いと思います。

それから、晴れて中学生になりました。

4/14/2025, 12:42:46 AM