君の目を見つめると…
先輩の目を見つめると激しい動悸が起こる。毎度毎度その記録は塗り替えられる。夏はまさに天国であったのだ。先輩の首筋を流れる汗。え、エロい。そして、その汗を横目で見て、Tシャツで拭う姿は神々しいのだ。ひゅるりと風が私の頬をくすぐる。目を開けると風になびくTシャツがめくれ、先輩のお、お腹がぁぁぁ!?
わ、割れてる…え、申し訳ないですけど、この供給は逃したくないんです!
「あっ…」
先輩の目がこちらを見つめている。絶えず汗が滴っている。目の中が煌めいてとても綺麗だった。一切の曇りも濁りもしないその瞳と見つめあった私。あぁ、まただ。胸が熱くなって心臓がうるさいほどに騒ぎ出す。ひと時。文字通りだった。先輩の目は私から逸らされた。
「ごめん、先に水飲んでくるわ」
走り去る先輩。胸に残る幸福はそんなひと時を永遠に変えてしまうんだ。きっと、先輩はこんなことさえ覚えてないんだろうな。
4/6/2023, 11:15:07 AM