大学の構内。
木が植えられてちょっとした林のようになった場所で、紅葉を見ながら、きれいな落ち葉などを探していた。
ブーツが葉っぱを踏んでカサカサ鳴る音もおもしろい。
すると、一人の同じ歳くらいの男の子が、
「これ」
と言って畳んだメモのようなものを渡してきた。
差し出されたので反射のようになんとなく受け取ってしまうと、男の子は足早に去ってしまった。
男の子が去った後、おそるおそるメモを広げる。
ルーズリーフだ。
何も書いてない?
いや、真ん中のあたりがなんか…
ルーズリーフの真ん中のあたり、コンパスの針で空けたような、小さな穴がたくさん空いている。
日にかざしてみる。
『すきです。』
小さな一筋の光が文字になった。
慌ててさっきの男の子を探してみる。が、もう見当たらない。
次に会った時に彼だと分かるだろうか…
「一筋の光」
11/6/2024, 6:41:32 AM