『見えない未来へ』
「未来が見えなーい」
「そりゃア、占い師でもなけリャ、見えないでショ」
「いや、そういうんじゃなくてさぁ……」
「じゃア、なんだってのサ。未来なんてのハ、みんな一緒で見えないモン、なんだヨ??」
「あー。いや、まあ、うん。そうだけど。そうなんだけど、そうじゃなくって」
「なにサ?」
「……俺、物理的に失明して、未来が見えないのですが」
「知ってるヨ。どっかの馬鹿がアタシを庇ったからネ!!」
「うぅ、分かっていたとはいえ、冷たい……」
「大した問題じゃないネ」
「ええ……本人以外がその言葉吐くことあるんだ」
「仕方ないかラ、アタシがアンタの目になってやるっテ、言ってんノ!」
「…………え、もしかしてプロポーズですか!?」
「ッッうるさいヨーー!!!」
「あ、いってーー! 失明だけじゃなくて、お尻が四つに割れちゃうからぁー!!?」
おわり
11/21/2025, 1:29:22 AM