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雲を突き抜けた先には綺麗な青空があると聞いた。
だから空を飛べるようになって真っ先に雲を抜けてみようと思った。
あまり高く飛びすぎてしまうと大気圏で燃えてしまうと聞いたから、少し雲の中を楽しむくらいの速度で。
どうせなら真っ暗な空の日がいいと思い、嵐の日までを楽しみに数えた。

今にも雨の降りそうな暗天にわくわくと、地上を離れ雲の中。ぱちりぱちりと雨粒が肌を打つ。
閃いた光はいよいよ雲の上と
思う間もなく雷鳴

‹cloudy›


虹には雄と雌とがあって運が良ければ二重に見えると
昔々に図鑑で読んだ
二つの虹は色の順が逆になるから不思議だと
昔々に図鑑で読んだ
虹の色順を問う論争に
図鑑をぶつけても良かったけど
残念ながら現在禁書
誰も真実に触れられない

‹虹の架け橋🌈›


自分だけが見られる部屋を作れると
最初に裏技として教わった
スタンプのお試し 文章の推敲
案外に使い手は多かった
時々真似て送信する
自分宛だけのメッセージ
来年 五年 あるいは十年後の
自分宛にしたメッセージ
   に
返信が来た昨日の話

‹既読がつかないメッセージ›


秋の色を問うた時
 死に逝く葉の色を挙げること
秋の色を問うた時
 繋げぬ実の色を挙げること
秋の色を問うた時
 静まる風景ばかりのこと
秋の色を問うた時
 夏だけの君はもう居ない

‹秋色› 


明日に世界が終わるなら
君と一緒に何処へ行こう
懐かしい街の風景か
未来に望んだ光景か
明日に世界が終わるなら
君と一緒に何を食べよう
一生一度の贅沢か
慣れ親しんだ晩餐か
明日に世界が終わるなら
君と一緒に何をしよう
積み上げた趣味の清算か
温もりに満ちた安寧か
明日に世界が終わるなら
明日に世界が終わるから
君と一緒にいたいから
どうかかえってはくれないか
かえってきてはくれないか

‹もしも世界が終わるなら›

9/23/2025, 12:56:04 AM