今、見てくれている君へ

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─空を見上げて心に浮かんだこと─
 昨日僕は親戚から譲り受けた別荘のウッドデッキに居た。白鳥のように白く塗装され、少しの木の暖かさの感じられるウッドデッキだった。アニメのような綺麗な空に僕は顔を上げ、まぶたから伝わる日光の暖かさに感動を覚えた。すると、つむっていたまぶたに差し込む光が一瞬消え、緑溢れる木々の揺れる音と透明感のある涼しげな風鈴の音がした。あの影は、優しい太陽の光に照らされた純白の鳥だった。群れになって、風が来ることを伝え合っていたのだろう。こんな自然溢れた平和な場所に来れて安心したからかな、ずっと抜けていなかった僕の肩の力が一気に抜けた。都会のコンクリートの上で、暮らしていると何をするにも、やたらと疲れる。そんな時に常々思うのが、
             
 「鳥のように果てしない空を自由に飛んでいたい。」

という事だ。でも翌々思うと、鳥は案外空を見ていないのかもしれない。 鳥はいつも前を向いて羽ばたいている。上を向いて羽ばたいている鳥は余り見ない。少なくとも僕は、見たことがない。だから僕は思った。鳥も地上に憧れて地上に来たし、人は空に憧れて、飛行機なんかを作ったのではないかと。
つまり生物は、
  「見えるけど届かないものに興味をもつのかも」
という事だ。僕は、鳥の憧れる場所で日々過ごしついる。「自分の憧れが憧れる場所に居る」という事だ。こう考えてみると、果てしないようで、一瞬の人生も、都会のコンクリートの上だって、そう悪くもないように感じる。

7/16/2023, 12:04:53 PM