13分前

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 テスト用紙の紙飛行機がすいっと飛んで私の机に着陸した。辺りを見渡すと2つ隣の席からひらひら手を振られているのに気付く。離陸時間は3秒くらいだろうか。飛ばし返す自信はなく、仕方なく立ち上がって紙飛行機を返しに向かう。
「こういうのって点がものすごく良いか悪いかの人がやるんじゃない?」
「なんだよ、平均点の奴は青春しちゃいけないのか」
「これ青春の一環としてやってんの?」
「まあ何にしても平均点の紙飛行機は飛ばなさそうだし」と58点と書かれた生物のテスト用紙を返しながら言えば、どこかむっとしたような顔をされた。

 翌日64点の歴史の紙飛行機が私の席を越えて飛んでいった。ものすごいどや顔をされたけれど、折り方が明らかに変わっていた。


"遠くの空へ"

4/12/2024, 11:51:03 PM