「青く深く」
「世界で一番好まれている色は青なんだってさ。何でだと思う?」
「えー。分かんないな。空とか海とかが青だから親近感というか、そういうのが湧くんじゃない?」
「でも、今はどっちも茶色いよ?みんなの大好きな青はもうないよ?」
葵は突然クイズのようなものを尋ねたと思ったら高校生としては一丁前に地球の環境問題について訴えかけてきた。特に深い意味はない。私達にとっては雑談に過ぎない話だ。
「私達のも無くなるよ?」
「私達の?」
「うん。」
私達のってなんだろう。葵はいつも大切な部分だけ言ってくれない。私達の…。そういえばさっきまで私達、青春してるねなんて会話していたっけ。
きこうと思ったけどやめた。だってこの会話には特にそんな意味はない。深い意味なんて込められてない。青春が無くなろうとどうってことない。だって私達どうせ明日には別れるから。葵が引っ越すから。
青春の時期が終わっても無くなっても、深い私達の絆だもん。青いまま変わらないはずだから。
6/29/2025, 3:26:45 PM