おはようと言った覚えもない。
ばいばいと言った、じゃあまたな。と言った。
顔をあげて、ぺこりとおじぎをした。
あたりは暗く、おふろやごはんが待っている。
布団がまっている。
何を話したかも覚えていない、ごはんの味も。
だけどゼリービーンズみたいな甘さに包まれて、にたにたしてた。
花の香りも知らず移る景色に身を委ね。
流れる映像を見ていた。
中に飛んだボール、落下点めざす。
全力で笑う。朝の匂い、草がぬれる。透き通る。
みんな準備をしている、知らなくても。
忘れてしまった、夏の風。
良い思い出はずっと隣で私を形造る。
3/13/2023, 10:42:00 PM