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本を片手に星空を眺める。

本の知識曰く、
北斗七星の長い柄のカーブを延長した先にある赤い星──うしかい座のアルクトゥルスから更に延長した先にある一等星──おとめ座のスピカ──この2つの星を結んで出来る曲線を「春の大曲線」というらしい。

夏の大三角、秋の四辺形、冬の大三角は知っていたが、春は大曲線なのか。

そんな事を思いながら、本の通りに星をなぞってみる。
この緩やかな曲線を元に春の星座を探すようだが、春の星座は、あまりパッとしない。

おおぐま座。こぐま座。うしかい座。りょうけん座。おとめ座。しし座。かに座。かんむり座。かみのけ座。やまねこ座。こじし座。うみへび座。からす座。コップ座。ろくぶんぎ座。ケンタウルス座。おおかみ座。

おとめ座、しし座、かに座など黄道十二宮で有名どころではあるが、コップ座やら、かみのけ座やらは日常の話題に上がらないと思うのだが…。

本に書かれた神話を読んでみたが、
春の星座にある黄道十二宮のおとめ座を除く残り2つは、へルクルスによって退治されて出来た星座とある。
それ以外の春の星座──ケンタウルス座、うみへび座等にも、へルクルス大暴れの後があるらしい。

英雄大暴れの神話を語る星空の下。

小市民を自覚している自分としては、
神話時代に生まれなくて良かったとその幸運に感謝したくなるのだった。

4/5/2024, 1:40:12 PM