僕の平穏でつまらない日常を変えたのはアイツだった。
「なぁ、お前もサボり?」
なんとなく気分が乗らなくて、初めて学校をサボってしまったその日。
サボるって何をするんだろうと、とりあえず商店街をぶらついていた時、声をかけてきたのはクラスの人気者だった。
「まぁ、そうだけど……」
「へー、珍しいな!俺も今日はなんか行く気になれなくてさ〜。せっかくだから、一緒にどっか行こうよ!」
「えっ」
あまり話したことないのにそんな提案をされて驚いてしまう。
キラキラしたアイツは、返事を待たずに「それじゃ行こう!」と俺の手を取って駆け出した。
それからゲームセンターに行ったり、コンビニで買い食いしたり、川で遊んだり。
最初は戸惑ったけど、サボってしまったことへの罪悪感が薄れるくらいには楽しかった。
それから、そいつとはよく話すようになった。
僕とは真逆の性格だったけれど、それが新鮮で、いい刺激になっていたのかもしれない。
僕のなんでもない日常を変えた存在。
お題『日常』
6/23/2024, 3:15:08 AM