ささほ(小説の冒頭しか書けない病

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秋恋

ぼくは幼いときから秋組だと教えられて育った。一緒に育ってゆくみんなと明らかに違う育ち方をしていたから、「違う」のだとわかっていたのはある意味救いだった。夏が終わり春組のみんなが消耗して死んでゆくときも、ぼくは秋組なのだからと耐えた。それは耐えることができたんだ。

でもこれは難しい。ねえ。春組の死にそこねだの熟しすぎ女だのひどい連中はいうけど、ぼくはあなたほどかっこよくて素敵な女性を知らない。でも秋組のぼくと交尾するとあなたは死ぬ。こどもも孵化するかわからない。それでもいいの? ぼくはまだ春まで生きるから未来はあるけど、あなたには。それでもいいのだとしたらぼくはもう死んでもいい。きっとあなたは死ぬなと言うのだろうけれど。


※※※

主人公たちは昆虫に似たサイクルを持つ生き物で、春に生まれ夏に羽化して交尾し卵を産む春組、春またはその他の季節に生まれ秋に成熟して次の春までにゆっくりと生殖する秋組に分かれます。春組にはまれに生殖する相手を自分の季節に決めないものもいます。秋組はわりと自由なので春まで待って次世代とこどもを作ることもできます。秋組は春組と比べて少数派です。秋から冬は命をつなぐのが困難なため春組は卵の形態でもっとも簡便な方法で冬を越します。秋組が存在するのは春組の卵が何らかの災害によりすべて根絶した場合に生き延びるためです。秋組のフレキシブルさも種として生き延びるためのものです。春組も秋組も生殖するまでは生き延びる昆虫タイプの生態を持ちます。

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この続きというか同じ世界観です。

9/21/2024, 11:29:47 AM