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嫌味をよく言う奴がいた。

やれ、行軍が遅いだの…
やれ、身だしなみがなってないだの…

そんなものに意味があるかと、
食ってかかったこともあった。

そんな奴が、帰らぬ人になった。
戻ってきたのは、泥を被った小型銃。

アイツらしくもなく、整備の一つも出来ちゃいねぇ。

そんな思いに背を押され、久方ぶりにブラシを手に取った。
…部品を意識し汚れを落とす。
…稼働に染み渡るように、油を引く。

そうして、過不足なく動く銃を手に、
苦い顔で、タバコを吹かす。

いつから俺は、整備のプロになったんだ?
それとも、お前の教え方が上手いのか?

なぁ、答えてくれよ。

俺じゃ、こんな技。
言葉にできねぇよ───。

4/12/2026, 7:23:34 AM