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うちの小さな庭先に毎日のように猫がくる。
眠気まなこで窓をあけるとすぐそこにいたり、家を出るとそこにいたりする。窓や扉の音に驚くのか、慌てるように距離をとって顔をじっと見てくる。

はじめの頃はこちらの存在を見つけるなり物置の後ろや塀の向こうに逃げていたのに、警戒心が薄れてきたのか今では日向ぼっこを続けていたりして、とても可愛い。

家族がたまにご飯をあげるようになってから、よく声をかけられる。呼んでくるね、と分かるかも知らない返事をして家族に伝えるとさっきあげたばかりだと言われ、すっかり慣れてわがままを言われているようで可愛い。

小さな頃、通学路に猫がいた。良く言えば遊歩道のような木々に覆われた道に、おそらく家族で棲んでいた。野生にくらす猫たちは警戒して遠巻きに見てきたけれど、こちらも負けじと警戒して足早に通り過ぎたりしていた。

大人になってかつての通学路に行くこともなくなって、あの場所に猫がいるのかいないのかも分からない。庭先で会う猫は、あの頃の猫たちとなにか関係あるのだろうか。さくらのような小さい耳先を見て、かすかに切ない気持ちを覚える。

2/25/2024, 12:51:48 AM