海を渡って本土へ戻ってきた。
荷押し車を借りて舟の荷物を下ろす。
荷押し車はかなりの重量になったが仕方ない。
引き手と押し手に分かれ荷押し車を進ませる。
途中で休み休みの移動は時間がかかる。
数日かけて目的の家に着いた。
久しぶりに見るおじいさんおばあさんはパッと顔を明るくして駆け寄ってきた。
家の横に荷押し車をつけ荷物を下ろす。
今度はこの荷押し車を返しに行かなくてはいけない。
軽くなったとはいえ距離が遠いので時間はかかるだろう。
しばらく荷押し車を引いて歩いて気が付いた。
『もう3匹の家来が居なくても大丈夫じゃないか?』
ある程度港に近付いた時に切り出した。
「家来達よ、もうここまでで大丈夫だ助かった。もう荷押し車を返したら終わりだ。解散しようじゃないか」
家来達は驚きの表情を浮かべ足を止めた。
「解散?」
「そうだ解散だ。いつかまた会うこともあるだろう。それまでゆっくり休んでくれたまえ」
困惑している家来達にまたね!と手を振り荷押し車を1人引き続ける。
家来達の慌てる声が後ろに響いている。
(またね!)
桃太郎のオマージュ、鬼ヶ島から帰還した後は軽薄な桃太郎バージョン
3/31/2025, 12:46:50 PM