ふわり
あまい女の子らしい香りが広がった
私の懐に飛び込んできたのは
完成されたアイメイクの目元を細めぷっくりとベリーのように艶やかなくちびるの口角をあげた少女だ
完璧な美少女
そして温かい温もりが腹部に広がり
同時に熱い高圧電流のような痛みが走った
そう。
この子は酷くひとなつっこい笑顔をふりまいては
刺してくる。
36度の体液が鮮明に広がり滴ることすらなかったが
私の心臓は握りつぶされているかのように自由を求めて身を捩った
そう、きっと最初から
入学式の後の遠くで萌える桜を映した窓枠の中だけが現実だった
そして隣で桜よりも甘い香りをまとって笑いかけてくれたこの子はうわべだけだったのだ。
気付けなかった?
気づいていた?
それでも良かったのだ
きっとこれでも持ちつ持たれつ…
私も笑いかけ少女に顔を寄せた
まとわりつくような甘い香り
溶かされてしまいそうな…
『フレネミー』
5/14/2026, 12:07:52 PM