2025年6月11日
【雨音に包まれて】
ぽつ、ぽつと
窓をたたく やさしい音に
心の奥が すこしだけほどけていく
言葉にできなかったこと
言葉にしなかった想い
ぜんぶ この音が代わりに
伝えてくれる気がした
誰にも言えない寂しさも
もう戻らない時間も
雨音は 否定せずに
ただ、そばにいてくれる
静かな部屋の中
時計の針も 遠くなって
私は ただ、耳をすます
そうしているうちに
いつのまにか 眠ってしまいそうになる
まるで やさしい誰かに
「だいじょうぶ」って
抱きしめられているみたいに
雨音に包まれて
心のざわめきが ひとつずつ
透明になっていく
6/11/2025, 10:08:13 AM