「ブランコ」
公園の端っこで、古びたブランコが小さく軋んでいる。
近所の子どもたちが、冬の乾いた空気を蹴り飛ばすように高く、もっと高く、空へと漕ぎ出していく。その無邪気な笑い声は、まるで誰にも捕まえられない光の粒のようだ。
足元では、愛犬のクロが不思議そうに首をかしげている。揺れる座面を追いかけようとして、結局、私の膝に冷たい鼻先を押し当ててきた。
「行かないよ」と小さく呟く。
遠くへ行きたいような、ずっとここにいたいような。
ブランコの弧を描くリズムに、揺れ動く自分の心象を重ねてみる。戻ってくることがわかっているから、私たちはあんなに遠くまで足を投げ出せるのかもしれない。
2/1/2026, 1:51:17 PM