☆さよならは言わないで☆
今日は、猫好きの私の、じぃじのお話です。
ある日の夏、じぃじの家に一匹の猫が迷い来んできました。
それはそれは、人懐っこくて。
小さくて可愛い女の子でした。
迷い来んできて、じぃじの家から離れないので、『小(ちい)』と名前を付けて、外猫で飼うことにしました。
しばらくすると、お腹が大きいのがわかり、4匹の赤ちゃんを産みました。
4匹のうち、二匹がキジトラ、どちらも女の子。
残りの二匹が真っ白です。
こちらは、一匹が男の子、一匹が女の子。
真っ白の女の子は、ある程度大きくなってから、私の母が引き取りました。
真っ白の男の子は、ご近所さんの家にもらわれました。
母猫、小と、二匹の子猫は、じぃじの家でくらしていました。
母猫は、野良猫だったので、家に入るのを嫌い。
外ですごしていました。
みんな大きくなった頃…。
(みんなの避妊手術が終わった後)
母猫、小が『さよならも言わずに』突然姿を消しました。
そんなある日、小が居なくなったら…。
守る存在が居なくなり…。
オスの大きい黒猫が、じいじの家の敷地内を徘徊するように、そしてキジトラの姉妹を激しくいじめるようになりました。
(キジトラの姉妹は、常に外に出ているわけではなく、じいじが畑仕事や草抜きをする時限定です。)
二匹は、随分遠くでも、黒猫の姿が見えたら逃げるようになり、外に出しても物陰に隠れて過ごすようになり、毎日怯えて過ごすようになりました。
特に、キジトラの一匹(梅ちゃん)がかなり、神経質で、少しの物音でもびくびくし、高い所から降りて来れなくなりました。
見ていて可哀想だったので、裏にある小屋を猫部屋に改造し、そこで過ごさせるようにしました。
ある日の事、じぃじが夜中、猫部屋が騒がしいから行ってみると、どこから入ったかわからないのですが、大きい黒猫がいたそうで…。
また、怖い思いを沢山したみたいで…。
梅は、小屋に居ても安心できなくなりました。
梅は、小屋で過ごす事事態が嫌になり、何度も脱走をくりかえし、その度にじいじは小屋の補修をして、梅を連れて帰りを繰り返していました。
そんな事をしているある日、ついにじぃじの元に、梅が帰ってこなくなりました。
じいじは、毎日探してまわりました。
でも、見つからず…。
諦めかけた頃、梅がガリガリに痩せて帰って来ました。
可哀想なぐらい痩せてガリガリで…。
そんな梅に、じいじが『もう、怖くないごとしてやっとるき、お前もう出ていくなよ…。安心せ。』と声をかけ、優しく撫でていました。
それから、しばらくは安心して過ごしていました。ですが…。
次は、タヌキが壁を壊して侵入し、猫達を威嚇しご飯を盗みます。
何度も、補修し壁の強度をあげますが、次は違うところから侵入。
この、タヌキがいけなかった。
再び梅の心に傷をつけてしまったようで…。
部屋の高い所から降りて来なくなり…。
いつも、びくびくして過ごすようになりました。
そんな矢先…。
また、小屋を破壊されタヌキが侵入し…。
梅が恐怖のあまり脱走…。
2ヶ月程いなくなり、帰って来た時には、ご飯も食べれない程ガリガリに痩せていました…。
『お前、どこ行っちょったか?こげ痩せて…。はよ、飯食え。』っとじぃじは、優しく梅に語りかけていました。
その、次の日の早朝、梅は亡くなりました。
冷たくなった梅に…。
『お前が、家におらんき、こげなごとになって…。黒猫やタヌキがこんごとしてやっちょったんに…。
何が嫌やったか?何がそんな怖かったんか?』っと言いながら、じぃじの目には沢山の涙が…。
この日から、じいじは、考えかたが変わりました。
『もう、あげな悲しい思いはしたくないき、桃は、家から絶対ださん。』が口癖になり…。
じぃじは、残された相方桃と、家で生活してます。
12/3/2022, 12:13:05 PM