"風のいたずら"着ぐるみから赤い風船を貰った子供が、目の前を走っていった。親御さんと手を繋ごうとした際、あっ、と声がして風船が飛んでいくのが見えた。風のいたずらか、木に絡まって止まった風船を見て、子供が泣いている。親御さんは、それほど飛ばされずに済んで良かったと、すぐに取ってあげるからねと、子供を慰めていた。空に溶け込むことも出来ず、中途半端な位置でゆらゆら揺れている風船。木々の緑の中にポツンと混ざった赤がひどく場違いで、哀れに思った。
1/17/2025, 2:31:17 PM