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大好きでした、大嫌いです
憧れでした、理解しました
見るだけで幸せでした、話したくも無いです
太陽の様でした、真っ暗闇が似合いました
本当に触れたかったです、本当は触れたかったです
 でも
君は消えてしまいました、君を残していきました
 一人分の身体だから
君と一緒にいたかった、必要無くなればいいと思った
これから先は一人です、これから先は一人です

私だけの知る君の名を、一つだけ残ったその証拠を
せめての餞に忘れないで

‹ただひとりの君へ›


そっとかざした瓶の中
からころ転がる金平糖
そっとすくった匙の中
ゆらゆら揺れた浮き星
そっとそそいだ盃の
写し鏡の星空よ
もうすぐ喰われるこの星の
行き着く先がその胎なら

‹手のひらの宇宙›


どうか運んではくれまいか
あの花咲き誇る庭へ
歓声響く潮騒へ
甘く香り渡る森へ
炎揺らぐあの部屋へ
どうか運んではくれまいか
この目だけで良いから
どうかこの身が消え去った
先の未来の希望をどうか

‹風のいたずら›

1/19/2025, 11:32:55 AM