かめ

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「桜」
卒業式の後、裏にある大きな桜の木の下に来るよう言われた。
こんな陰キャな自分にそんな青春のようなものが来るとは思っていなかった。
桜の木の下は昔から「告白と言えば此処」のような場所としてしられていた。ラブレター?には午後8時に来るよう書かれていた。人に見られたくないとしてもあまりにも遅い時間だと感じた。
一度家に帰ると、真っ暗なリビングが広がっていた。そんな光景が自分は苦手だったから、足早に部屋へ閉じ籠った。7時半にでも出れば間に合うだろう、部屋の勉強机には努力の証が多く残っていた。でももうその理由もなくなった、今日あの証拠を突きつけ俺はこの家をでる予定だったからだ。

そんなことを言っていると7時半になっていた
俺は急いで家を出た

「はぁ、学校までは着いたもののどうやって断れば良いんだ?」
ぼやぼやと呟いていると木の下に着いた。
だが誰もいない
「なんだ?いたずらだったのか、もう帰ろう」
そう言った瞬間

ゴンッ

頭の後ろから鈍い音が響いた
「は…?」
後ろを振り向く隙もなく地面へ倒れた
かすれる視界のなか見えたのはただゆらゆらと笑った表情の誰かだけだった

誰かが言った、
「桜の木の下には死体が埋まっている」と‥

犯人は文豪好きだったのか、
それともただの殺人鬼か,
それは誰も分かる事はなかった。
だが次の年の桜は一段と赤い花びらが咲いていた






「手紙シリーズ」No,2

4/4/2025, 1:19:36 PM