また、来てくれるよね───。
目が覚めると、いつものベッドにいた。
何故かベッドはびしょ濡れで、涙のあとがあった。
『…悪夢?』
なんの夢を見たのか思い出せない…
『まぁ、いっか。』
大した事じゃないと思って、考えずにいた。
───でも、どこか引っかかった。
『………』
変な名前が頭に浮かんだ。
『陽…菜?』
陽菜…ひな…ヒナ…日菜…
『日菜!?』
ようやく夢の正体がわかった。
どうして今まで気が付かなかった?
どうして親友を忘れていた?
『…馬鹿。』
…日菜の馬鹿。
私なんて、どうでもよかったじゃん…
『あ…』
意識が飛びそうになりながら歩いていると、
日菜が亡くなった事故現場が在った。
『……』
まだ微かに血の跡が残っている気がする…
…墓参り、行ったよ。
『日菜。』
『たまには、顔、合わせてよね…』
あの日、夏祭り行ったよね…
あの日、間違えて辛い弁当買ったよね…
あの日、
あの日…
泣いたよね。
『日菜ってさぁ。』
「なに?」
『私の事、庇いたかった?』
「あったりまえじゃん!ウチら親友だし!」
『ッ…そっか。』
なに、1人で妄想してんだろ。
「あのさ、」
『…?』
「ウチの顔、見て!」
え?
『ッ!?日菜?』
「えっへへ…」
「ごめんね、」
『なんでッ…』
『なんで、』
『私…』
『日菜に…あいだがっだ…』
「うん、そうだね。ウチも!」
『…また、会える?』
「ずっといる!」
『…大好き。』
「愛してる。」
『あーちょ、私の台詞〜!』
またこうやって、現実で笑い合いたかったな…
…ん?
現実?
「…またね。」
『ッえ?』
目が覚めた。
それすら夢だった。
会いたかったんだね…
『日菜───』
7/10/2024, 10:13:02 AM