たろ

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「心の中の風景は」

嵐が来た。
極寒の冷気。極限のブリザード。
心臓は縮み上がり、ドンドコと生命の危機を叫ぶ。呼吸は浅くなり、脳内に警鐘が鳴り響く。有り体に言えば、動悸である。


嵐が去った。
穏やかな春の陽気。萌木と芽吹きの躍動。
春告鳥は雪解けを連れ、爽やかな風は新しい季節を連れて来る。
心臓はふくいくと全身に血液を送り、生命の連綿を言祝ぐ。熱い血潮が、身体中を満たす。さぁ、前を向き、歩いて行くのだ。


表面上は、スンッとしているが、中身は大騒ぎである。

8/30/2025, 12:53:18 AM