結婚しても時折心は逃避行しているような妻
今も風が吹いたのをいいことに
柔らかな髪を風に揺らしながら
心だけは自由に漂わせているみたいな横顔
そんな横顔に僕はずっと恋している
妻と僕はよく似ていた
いつも居心地悪くてどこにも馴染めず
でも決して枠からはみ出すことをしない
何でもない顔をして妻はよく壁を作る
透明で硬い壁の内側には誰にも触れられない
夫である僕は少しだけ胸が痛い
でもなんというか、僕はそんな妻を幸せにしたい
妻に会う前、僕は誰も幸せにしたことがなかったし
誰かを幸せにしたいと願うこともなかった
妻の逃避行さえ僕はいとおしいんだ
その逃避行の果てに帰る場所は
僕のところであると信じているからね
7/11/2025, 10:01:34 PM