無数の氷柱から一滴の雫が落ちた。
僕はマフラーに顔をうずめながら、その雫音に耳を澄ませる。また一つ、二つ、四つと、どこか規則正しいそれはオルゴールのように音を立てていく。
空は快晴だというのに、口元からは白い息がもくもくと立ち上がる。陽射しは暖かくなってもまだまだ寒い。痺れるような冷たさはいつも僕を見ている。
鼻を啜ると鼻を突き刺すような痺れがやってきた。
冬は嫌いだ、寒いから。でも夏か冬かだったら僕は冬を選ぶ。冬は着重ねすれば耐えられるけど、夏は肌より上は脱げないからだ。
それでも寒いものは寒い。
また一つ、雫が落ちた。
あと何度、雫が落ちれば春がやってくるのだろう。
4/21/2026, 11:06:57 AM